さあ、今日から伊勢志摩サミットが開幕ですね。
グローバル経済的には平穏な時期になっているようですから、何か大きな動きが想定されない穏やかなサミットになるというコンセンサス?があるやに聞こえてきますけど、こんな時はちょっとしたことでサプライズ(もちろんポジティブですよ)が起きる可能性があるかもしれませんよね。
ですので、サミットご祝儀相場っていうような雰囲気なので、それなりに利益が出ている銘柄を一旦利確して調整時に再購入しようかとも思いましたけど、何が起きるか分からないのでホールド作戦継続です。
そんな中、昨日、「インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人の公募売出しがあるので如何ですか?」と証券会社さんから連絡を頂きました。
株価の推移を確認しますと、どうもイマひとつといった感じだったんですが、保有している不動産と今回の資金で取得する不動産、NAV率、利回りの3点セットを確認すると悪くないんですよね。
(というか、なぜ人気ないのか良くわかりません。)
ちょっとチャート的にはよろしくない感じがしますけど、94000円ぐらいは下値抵抗線が引けそうですよね。
NAV倍率は株におけるPBR(株価純資産倍率)と似た指標で、NAVとはNet Asset Valueの略になります。
具体的には、「NAV」というのが、そのリートが持っている「資産(不動産とお金)」から「負債(借入)」を引いた純資産のことで、その純資産であるNAVを発行口数で割ると、一口あたりのNAVが出ます。(株であれば一株当たりの当期純資産です。)
そして、現在の「リートの株価(一口あたりの価格)」を「一口あたりのNAV」で割ったものがNAV倍率になります。(まさにPBRですよね。)
ですので、このNAV倍率が1倍以下であれば、株で言うところのPBR1倍割れということになりまして、持っている純資産と今の価格を考慮すると「割安である」ということなんですよね。
インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人のNAV倍率は0.83倍となっていて現行の価格(約96500円)では割安水準になるということなんです。
取得している不動産と取得予定の不動産についてですけど、少なくとも都内と横浜の物件は文句なく安定した高賃料を頂ける物件だと思います。
名古屋、仙台、博多の物件はちょっと分からないというのが正直なところなんですけど、Googleマップで確認する限り、駅近&ピカピカのオフィスビルに見えるので問題ないでしょう。
前述のとおり、NAV倍率からも割安と考えていいでしょうし、年間利回りも5%を超えていますから昨今の高騰する不動産市況を考えると優秀なリートだと思います。
売出価格も一口94,672円ですので、チャート的にも抵抗線あたりだし、そもそも物件と利回り、さらにリートという流動性の高さ、を考えたら、これは買うしかないわね、っていう結論になりました。
証券会社の営業さんに「何でこれ人気ないのかしら?」って聞いてみたら、「多分、外資の運営会社っていうことで敬遠される方がいるみたいですね。まあ、大手不動産系とか大手商社系とかっていうのではないので。バックに大手の有名企業がいるかいないかで判断される方もいるんですよ。」とのこと。
「え~、でもリートってそもそも海外の方が歴史も古いし、不動産会社とかの紐付きじゃなければちゃんとした物件を精査して購入する形になるから独立系で外資のリートの方が信用できるじゃない。」って私が言ったら、「そういう風にちゃんと解ってる人ばかりじゃないんですよね~」っていうことでした。
でも、「そもそも何で割安優待株とかに資金投入しないでリート買ってるの?」って思う方が、大勢いらっしゃるんじゃないかと思います。
はい、私も結構、悩んだんですよね、資金があるなら自分が主力で持っているランドコンピュータとか綿半ホールディングスとかフジ・コーポレーションとかトリドールとかを購入してもいいんじゃないか、って。
実は今回のリート購入資金なんですけど保有していた都内の中古ワンルームマンションの売却益なんです。
ですので、「借入で購入した不動産を売却して借入を無くし、売却益で返済なしの不動産を購入する。」という不動産資産の組換えという形で運用してみたいと思ったんですよね。
ちなみに私が売却した中古ワンルームマンションは、売却価格と現状賃料を考えると利回り6%ぐらいになります。
さらに購入された方は、同行された息子さんが私と同じ歳ぐらいかさらに年上と思われる感じで、借入なしの現金払いだったんです。
もう「相続対策用に買いました。」っていう解りやすい感じでしたけど、相続対策ということを考慮しなければ、空室リスクや滞納・夜逃げリスク、事件・事故リスクを考えると、現金買いなら6%の中古ワンルームマンションを買うよりも、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人のような割安指標かつ利回り良しっていう「運営管理付きの現物不動産(小口分けですけど)=リート」を買った方が全然いいと思います。(実際に大家やってる私の実感です。)
最近、若い主婦の方なんかが地方の安い戸建を現金で買って大家さんになる、なんていうのが話題になっていますけど、あれって地方の戸建を300~500万円ぐらいで購入して、リフォームなんかもしてから賃料収入を得ましょう、っていう投資なんですけど、不動産としては殆ど価値がないような土地と古い建物が物件の基本なんですよね。
だから、資産として考えると出発点は資産を減額(マイナス)させて、時間の経過と共にその減額した資産を回収して、回収しきった後は資産の増加になるってことなんですよね。
何が言いたいかというと、最初は300万円という現金資産が100万円以下程度の不動産資産に変わるから資産という意味では200万円も減額しちゃうのよ。(ちなみにリフォームも50万円ぐらいは最低でも必要よ。)
大体、そういう地方(関東圏の場合)の古い戸建の賃料って5~6万円ぐらいなんですよね。
とすると、仮に6万円の賃料で、空室期間を考慮しないとすると年間72万円の収入で250万円(リフォーム代含めた減額分)をクリアするのは3年6か月間が必要になるんです。
つまり、何事もなく3年半経過して初めて最初の資金と同等になり、それから後に350万円の物件で72万円の年間賃料という表面利回り20%の賃貸運営収入が入ってくる、ことになるんです。
いやいや悪くないじゃない!?っていう方もいらっしゃると思いますが、そんな資産を目減りさせて始める不動産投資というのはどうかと思います。
戸建投資の例で言えば、トータル350万円のうち、自己資金は100万円ぐらい(実際の不動産価値程度)でその他は借入で資金を賄って、得られる家賃から借入の返済と自己資金分を賄って行きつつ、利益を得る、っていう形がいいんですよね。
ザックリ250万円を金利3%の15年間で借入すると月々17265円ぐらいの返済になりますから、6万円から17300円を引いた42700円が利益です。年間51万円ぐらいですよね。
となると、最初の自己資金投入分は不動産の実際の価値と同程度ですから、最初から年間51万円の資産が増えていくということなんです。
しかも2年もすると投資した自己資金100万円も上回り、3年目からは坊主丸儲け状態になって、仮にどこかのタイミングで不動産の価値がゼロになっても(例えは悪いですけど、津波で家が流され、潮で土地の価値がゼロになっても)全く痛みはない、という状態になっているんです。
ですので、不動産を現金で購入するならその不動産の資産額が購入した代金と同等になるようなモノを、不動産投資をしたいのなら借入を活用しないと資金を目減りさせた上にリスクばかりを背負うことになる、ということをキチンと考えて、巷に出回る現金で購入する戸建賃貸なんていうものに最初から手を出さないようにして頂ければと思います。(融資を使った不動産投資をして、その運用利益が貯まったお金で、戸建を現金で買う分にはいいと思いますけど。)
今日はちょっと不動産系のお話が多くなっちゃいましたけど、以前も中古ワンルームマンション投資の記事は人気だったみたいですから、いいですよね。
今度、中古ワンルームマンション投資の注意点みたいなモノも書きますね。